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  城屋の揚松明 '17



 
      

2017(平成29)年、8月14日 pm10:00〜:32くらい。
たった30分くらいで終わってしまう。あっ、という間である。「厄払いができたような気持ちになりました」とかの声も聞かれる。どれくらい古い伝統的行事なのか、どうした意味を持つものなのか、雨乞いだとか、伝説に関連したものだとか、諸説たくさんあるが、そうしたことは本当は不明である。
ず〜〜っと古い古い祖先から伝え続けられてきた伝統行事、たった30分だが、それは永遠といってもよいくらいの祖先たちのなが〜いなが〜い時間と信仰が凝縮されている。



  神事

参道↓(暗いので足元注意。蛇がいるのでヤブの方へは行かないこと)
公民館前の橋(宮前橋)が参道で、渡ると、正面に本殿がある。

神事




(地図)
  



 「城屋の揚松明」は、8月14日の夜10時、雨引神社境内で行われます。
 場所は雨引神社境内広場。駐車場や公共交通機関も申し訳ありませんが十分にはございません。自転車やタクシーなどでお越しいただければ、たいへんに助かります。トイレの用意はあります(公民館横)。狭いところですが、揃ってのお越しをお待ちいたしております。



  揚松明点描





若者達はこのあと高野川の上流で水垢離を取り、帰ってくる。

10:00 いよいよ始まります。









撮影の舞台裏↑ 特別許可でロープ内に入って撮影。
坂根氏+ワタシで計6台のカメラをまわす。何千コマも写して、使い物になりそうなものは、千に三つほど。条件の厳しい中では最新のカメラがよい、おそろしいほど写る。







今年は大松明が雨に濡れて湿っていたこともあり、長く燃え続けた。
しかしそれも燃え尽きた。



松明の燃え殻を拾いたい人達が、消火を待っている。
さてよく燃えたから残っているか。






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  ちょっとだけ、揚松明の歴史民俗のお勉強

内久井の大蛇退治伝説
雨引神社の西側を通る府道西舞鶴物部線(490号)を南の登尾峠を越すと、綾部市内久井町という所ヘ通じる(今は道らしい道ではない)。そこに伝わる伝説を『丹波負笈録』が拾っている。この山の伝説の最も古い記録になる。
『丹波負笈録』は、寛政・化政期頃(1789〜1830)の成立。『丹波志』の拾遺のようなもの。
それには、
内久井村 家敷七十軒同ヒウラ峠奥山あり 志賀郷十三ケ村入込所 奥深山なり 谷氏御領所 右深山の中に蛇池あり 昔志賀に夜アラシ云地侍の娘を此蛇にとられ 後彼池へ右の蛇を捕と名乗て弓を放つ体ニで向ひけれハ小蛇出 又夜アラシ申けるハ本体をあらはすべしと云 大蛇の頭をフタ立向けるを大雁俣にて一眼を射殺す 書方質朴にしてわかちかたし 其まゝいつれにも此書様をくわへす 外皆是にならふへし 此故に夜アラシ子孫代々片眼なり 今ハ家絶たり 志賀の夜アラシとハ同所町梅原氏の士にて強力の弓とりなり 物部に分家あり



女布の森脇宗坡の大蛇退治伝説と似ているというか、共通のもののようだが、しかし内久井の方が古い。片目のヘビとか、その子孫が片目とか、女布・城屋にはない古い要素を残す片目の鍜冶伝説。
「夜嵐」は志賀郷の英雄だが、「世荒らし」のことかと思われる、時の権力側からは忌まれ嫌われた神で、このように貶められた名で呼ばれたのではなかろうか。後世に土蜘蛛とか鬼とか呼ばれた者たち系の呼び名でなかろうか。

城屋の揚松明など:丹後の伝説12
城屋の揚松明:アルバム1


当サイトにたくさんありますから検索してみて下さい。


『京都新聞』(2017.8.14)の「凡語」
炎が夜空にアーチを描き飛び交う。京都市左京区の花背松上げなどで知られる柱松形式の行事。京都府内では南丹市など各地にも伝わり、8月に営まれる▼愛宕信仰と関わるとされ、地域によって松上げや上げ松などと呼ばれる。舞鶴市では14日夜に城屋地区の雨引神社で「城屋の揚松明」が行われ、山あいの里が見物客でにぎわう▼雨乞いの習俗と合わさったのが特徴だ。市を代表するお盆行事の一つで高村薫さんの小説「神の火」にも登場する。大松明は長さ約16bの丸太の先端に麻の茎をすり鉢状に束ねた「ハチ」を取り付け、境内に立てられる。若者が火をともした松明を投げて点火を競う▼ただし準備は大変だ。朝早くから当番の氏子が作業に当たる。住民が多かった時代は滑車を使って人力で大松明を立てていたが、現在はクレーンを利用する。関係者は「昔の技術を知る人がいなくなっている」と心配する▼府文化財保護課に聞くと、行事を担う地域から材料や人手の確保に苦労し、続けることが厳しいとの声が上がるという。勇壮な祭りへ人口減少や高齢化の波が確実に押し寄せる▼高村さんは小説で城屋の揚松明を「舞鶴で一番美しい祭り」と紹介する。今夜、繰り広げられる炎の祭典。楽しみながらも継承へのたゆまぬ努力や工夫を感じたい。



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城屋の揚松明'19
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